土石流シミュレータ 「Kanako」

◆土石流シミュレータ 「Kanako」

本ページより、GUIを実装した土石流シミュレータ 「Kanako」 をダウンロードすることが出来ます。
なお、英語版は以下のページに掲載しております。
「Kanako」 English version

◇Kanakoの概要

土砂災害を防止・軽減するため、砂防えん堤の整備が各地で進められています。砂防えん堤の効果を十分に発揮するためには、土石流を効果的に捕捉する大きさや配置などを効果的かつ効率的に計画することが重要です。
現在、砂防えん堤が持つ土砂調節機能を検証するために様々な数値シミュレーションモデル及びそれらを実装したシミュレーションプログラムが提案されています。
一方、これらのプログラムを有効に活用するために必要となるGUIの整備は遅れているのが現状です。
以上のような現状を踏まえて、GUIを実装した土石流シミュレータ「Kanako」を開発しました。
本モデルはマウスによる入力及びグラフィックを多用した表示を基本としています。 これにより、高度な専門知識が無くても簡単に土石流の流下や堆積過程を計算することが可能になっています。
 

マウスによる操作で簡単に河床・扇状地(Kanako 2Dシリーズのみ)の形状を設定することができます。

不透過型砂防えん堤・スリット型砂防えん堤格子型砂防えん堤(Ver.1.41以降のみ)を考慮した計算が可能です。

流入ハイドログラフもマウスで設定できます。

水位・河床の時間変化を画面でわかりやすく確認することができます。(扇状地の計算はKanako 2Dシリーズのみ)
◇解析上の仕様
Kanako Ver.1.44/Kanako Ver.2.051(最新バージョン)の解析上の仮定及び限界は下記に示す通りです。下記に留意した上でご使用下さい。詳細はマニュアルをご覧下さい。

1. 1次元領域の計算は支川の1本しか対応していません。支渓流の合流は考慮できません。
2. 粒径は,Ver.1.41は2粒径まで、Kanako 2Dシリーズは単一粒径しか対応できません。
3. 透過型砂防えん堤におけるスリット部の急縮によるエネルギー損失を考慮していません。
4. 計算断面形状は矩形断面を仮定しています。
5. 石礫型土石流における巨礫の先頭部への集中機構は組み入れられていません。
6. 河床の粒度分布の時間的・空間的変化は考慮していません。
7. 1次元領域と2次元領域のそれぞれの流動方向(x 軸)の成す流入角は、それほど大きくないものとします
8. 2次元領域の横断方向(y軸方向、計算点数60個)における、1次元領域からの流入点は中心(30 or 31)である必要はありません。 しかし、モデルの都合上(1, 2, 59, 60)は流入点としないことが望まれます

◇Kanakoの使用条件
1.著作権等
本ソフトウェアの著作権は、京都大学防災研究所 流域災害研究センター 流砂災害研究領域 及び 一般財団法人砂防・地すべり技術センターが有しています。 媒体および手段にかかわらず、著作権者の許可無く商用利用、売買、再配布、改変、逆コンパイル、ディスアセンブル、リバースエンジニア等を行うことを禁止します。
2.免責
著作権者および制作者は、いかなる場合においても本ソフトウェア製品の使用あるいは使用不能から生じるあらゆる損害に関して一切の責任を負いません。 また、本ソフトウェアのサポート、保証、障害の修正やバージョンアップの継続等についていかなる義務も負いません。
3.お問い合わせ先
こちらの問い合わせ受付フォーム(リンク)からお問い合わせください。

◇Kanakoのダウンロード
本ソフトはフリーウェアです。仕様および動作条件に同意された場合のみ、下記からダウンロードをお願いいたします。

種別 バージョン プログラム(zip形式で圧縮) マニュアル(pdf)
一次元計算 Kanako Ver.1.44 プログラム
(80 KB)
説明マニュアル
(0.7MB)
利用マニュアル
(5.4MB)
二次元計算 Kanako 2D Ver.2.051 プログラム
(75KB)
説明マニュアル
(1.4MB)
利用マニュアル
(8.6MB)

■Kanakoの動作環境およびインストール
Kanako Ver.1.44/Kanako 2D Ver.2.051は下記の条件においての動作を確認しています。
・対応OS:Microsoft Windows 7/8/10
・CPU:Pentium相当以上
・メモリ:128MB以上
・ハードディスク:空き容量600MB以上
・必要なソフト:Microsoft .NET Framework 3.5(.NET2.0および3.0を含む)以上

■入力点数の上限、出力点数の上限
1. Kanako1.44
入力点数は、最大500点まで設定できます。ただし、画面サイズによっては上流から100点よりも下流側の地形が表示されない場合があります。

配列要素数の制限により、出力ハイドログラフ(観測点での流量Qや流砂量)データ数の上限は1000です。出力されるハイドログラフのデータ数は、「計算時間」を「出力ハイドログラフデータの書き出し間隔」で除した数+1(0秒も出力)となります。

配列要素数の制限により、結果保存(全計算点の流動深、河床位、流速、濃度)のデータ数の上限は1000です。出力される結果のデータ数は、「計算時間」を「結果出力の書き出し間隔」で除した数+1(0秒も出力)となります。

「出力ハイドログラフデータの書き出し間隔(s)」と「結果出力の書き出し間隔(s)」は整数値で設定してください。

2. Kanako2D.Ver.2.051
一次元領域の入力点数は、最大500点まで設定できます。ただし、画面サイズによっては上流から100点よりも下流側の地形が表示されない場合があります。

二次元領域の推奨する最大メッシュ数は300×300(流下方向×横断方向)です。PCのスペック次第ではこれ以下のメッシュ数でもエラーが発生する場合があります。流下方向と横断方向のメッシュ数は異なる数も設定可能(例えば60×100)です。

配列要素数の制限のため、計算結果出力数nijidatには上限が存在します。nijidatは二次元領域の流下方向の計算点数、横断方向の計算点数、(計算時間/計算結果出力間隔)により設定されます。
下記のスペックのPCで、以下のケース[流下方向の計算点数×横断方向の計算点数、(計算時間/計算結果出力間隔)]では動作することを確認済です[200×200、(3600s/10s)][300×300、(3000s/20s)][300×300、(1800s/10s)]。
(1)Windows10 Professional(64bit), インテル® Core™ i7-9700 プロセッサー (3.00GHz), 64GB RAM
(2)Windows10 Professional(64bit), インテル® Core™ i7-10750 プロセッサー (2.59GHz), 32GB RAM
(3)Windows10 Professional(64bit), インテル® Core™ i7-10810 プロセッサー (1.10GHz), 16GB RAM

配列要素数の制限により、一次元領域の出力ハイドログラフ(観測点での流量Qや流砂量)データ数の上限は1000です。出力されるハイドログラフのデータ数は、「計算時間」を「出力ハイドログラフデータの書き出し間隔」で除した数+1(0秒も出力)となります。

「出力ハイドログラフデータの書き出し間隔(s)」と「結果出力の書き出し間隔(s)」は整数値で設定してください。

◇著作権者
中谷加奈(NAKATANI Hasegawa Kana)教授 博士(農学)
(京都大学防災研究所 流域災害研究センター・流砂災害研究領域)


一般財団法人 砂防・地すべり技術センター砂防技術総合研究所
〒102-0093 東京都千代田区平河町2-7-5 砂防会館本館5階
TEL:03-5276-3274

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