火山防災部

火山防災部では、火山噴火等に起因する土砂災害を防止・軽減するための火山砂防計画、それに基づくハード対策（砂防施設を用いた対策）、ソフト対策（火山砂防ハザードマップの作成や監視・観測等の対策）に関する業務や調査研究を行っています。

火山砂防計画には計画的に対策施設等を整備する基本対策計画と、噴火時に被害をできる限り軽減（減災）するための火山噴火緊急減災対策砂防計画があり、近年では火山噴火緊急減災対策砂防計画（緊急ハード対策・緊急ソフト対策）やその運用方法を重点的に検討しています。

これらの計画や対策を精度良く検討するため、過去の火山噴火実績や土砂移動実績に基づき、火山噴火に起因する土砂移動現象の実態を明らかにするための調査研究を行っています。これらの研究成果を踏まえ、STCが開発した数値シミュレーションモデル（J-SAS，New-SASS）を用いて、その影響範囲を想定した火山砂防ハザードマップを検討しています。

近年では緊急ハード対策として、コンクリートブロックや鋼材を用いた対策工の研究開発を行っています。また、火山噴火時に火山周辺地域への立入が困難な場合において、UAVを活用した降灰厚を把握するための調査方法も検討しています。

主な業務・研究

主な業務として、火山砂防計画、火山砂防ハザードマップ、火山噴火緊急減災対策計画、火山噴火警戒避難計画に関する調査・研究を行っています。

火山砂防計画

火山噴火や土砂移動の実績を調査し、数値シミュレーションを用いた影響範囲を検討します。
この影響範囲を参考に、地域の防災、減災を図るため、砂防施設等によるハード対策、監視機器等によるソフト対策を検討し、火山砂防計画を立案します。

監視機器等によるソフト対策としては、火山噴火特性や地域の実情に合わせた土砂移動監視システム、情報伝達システム、土石流発生雨量基準等の検討も実施しています。 また数値シミュレーションによる砂防施設の効果検証や事業再評価、さらに地域住民への火山防災啓発のための訓練や説明会の補助も行ってます。

検討対象火山

十勝岳、樽前山、浅間山、富士山、桜島　など

火山噴火緊急減災対策計画

火山はいつ、どこで、どのような噴火が発生するかを予測することは出来ないため、短期間で実施可能な対策を事前に検討し、少しでも減災を図る事としています。具体的にはブロック等を活用した緊急ハード対策や監視カメラ等による安全管理の緊急ソフト対策を検討しています。また火山防災は多くの関係機関が連携を図ることが重要となるため、顔の見える関係を築くためのワーキンググループ等の開催や運営の補助を行っています。

検討対象火山

九重山、鶴見岳、伽藍岳、有珠山、浅間山、焼岳　など

火山砂防ハザードマップ

火砕流や溶岩流、降灰等の噴火現象、降灰後土石流や融雪型火山泥流等の土砂移動現象の影響範囲を数値シミュレーションにより検討し、それらを取りまとめた火山砂防ハザードマップを作成します。この火山砂防ハザードマップは火山砂防計画や火山噴火緊急減災対策砂防計画を検討するための基図であり、火山砂防ハザードマップと呼ばれています。また精度良く影響範囲を想定するためのシミュレーション技術の研究・開発も行ってます。

検討対象火山

富士山（右図参照）、浅間山、大雪山、雲仙岳　など

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