流木対策への取り組み

◆流木捕捉工に関する取り組み

 流木は土砂と違って水に乗って遠くまで流下するため,氾濫の末端まで届いて,土砂災害の規模を大きくする要因になっています。 流木対策は重要ですが,これまで設置されてきたコンクリートの不透過型砂防堰堤では,堰上げが生じるため全量を捕捉することが難しいことが知られています。 土石流対策で活用されている鋼製透過型砂防堰堤は,開口部を広くとっているため,土砂と水を効率よく分離できる施設です。 この堰堤の特徴を使えば流木を効率良く捕捉することができます。これまでの土石流の捕捉事例を見ても,開口部が必ず流木で目詰りし後続の細粒土砂まで捕捉しています。 掃流区間においては流水表面を浮遊している流木を効率よく捕捉できるため,中には構造物の高さ以上に捕捉されていることもあります。 このように鋼製透過型砂防堰堤は,流木対策として現在最も効果の高い施設です。
 当センターでは,鋼製透過型砂防堰堤に関する研究を行っており,この成果を「鋼製砂防構造物設計便覧」(平成21年版)として発刊しました。また、新たな流木捕捉工の開発を行うとともに、「張り出しタイプの流木捕捉工」を取り入れた「張出しタイプ流木捕捉工設計の手引き」を令和2年に発刊しました。流木捕捉工を計画,設計する場合にご活用ください。

1)鋼製流木捕捉工の設計
 「鋼製砂防構造物設計便覧」(平成21年版)の第5章に記載しています。→「鋼製砂防構造物設計便覧」(平成21年版)第5章

2)新たな流木対策
 新たな流木捕捉工は、不透過型砂防堰堤を越流する流木を本副堰堤間で捕捉するための工法であり、その効果などを把握するために水理模型実験を行い(平成30年度砂防学会研究発表会概要集V-032、p.115-116)、スクリーン型流木捕捉工「流木スクリーン」(特許第6840340号)を開発しました。
 「張出しタイプ流木捕捉工設計の手引き」は、学識者・本省砂防部・国総研・土研とともに研究会を設けて検討を重ね、発刊いたしました。これまで流木捕捉工に特化した基準類はなかったことから、流木対策のより一層の推進にお役にたてることを目指しています。 こちら より頒布しております。

3)いろいろな鋼製砂防堰堤とその捕捉効果
 砂防鋼構造物研究会のHPに多数の事例が掲載されております。 →砂防鋼構造物研究会HP(外部リンク)

◆土石流・流木対策の技術指針改定に関する取り組み

平成28年4月に「砂防基本計画策定指針(土石流・流木対策編)」、「土石流・流木対策設計技術指針」の改定を受け、 当センターでは、平成28年10月24日に土石流・流木対策の技術指針に関する講習会を行ったほか、「砂防基本計画策定指針および土石流・流木対策設計技術指針に基づく計画・設計事例の解説(第3版)」を作成し、その内容について公開しております。
○土石流・流木対策の技術指針に関する講習会
平成28年10月24日に土石流・流木対策の技術指針に関する講習会を開催
○砂防基本計画策定指針および土石流・流木対策設計技術指針に基づく計画・設計事例の解説(第2版)
砂防基本計画策定指針および土石流・流木対策設計技術指針に基づく計画・設計事例の解説(第2版)を公開します
○砂防基本計画策定指針および土石流・流木対策設計技術指針に基づく計画・設計事例の解説(第3版)
砂防基本計画策定指針および土石流・流木対策設計技術指針に基づく計画・設計事例の解説(第3版)を公開します

◆参考図書:海外の事例紹介

○流木対策-実務入門- (Wildholz- Praxisleitfaden-)の和訳文献の作成 ヨーロッパアルプス周辺諸国における流木対策の実務に関する手引き書として、 インタープリベント事務局が作成した「Wildholz-Praxisleitfaden-」について、 STCが和訳・校正した文献「流木入門-実務入門-」を掲載しております。
流木対策-実務入門- (Wildholz- Praxisleitfaden-)の紹介
– 流木対策-実務入門- (PDF)
– Wildholz- Praxisleitfaden- (原文) (interpraevent_HPより)

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